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「神代、今日は散々だったな。
本当なら今頃、藤森と---
ぅぁっ、すまないっ」
口を滑らせた佐伯主任が、手も滑らせ、チェイサーのグラスを倒しそうになる。
えっ……?
「それって、藤森主任の言い分を聞くって話じゃなくて……、
あの……私と藤森主任の今夜の約束を知ってたんですか? 」
「ぅ、うん…。
一週前だったかな。
本人が言ってたから」
里崎さんから渡されたダスターで、少し溢れた水を佐伯主任が拭く。
佐伯主任と藤森主任。
仲が良いのはいいけど、明け透け過ぎる。
恥ずかしい……。
でも、あの約束は本当にあったんだ。
あ! それなら……、
「一昨日の夜のことも聞いてましたか? 」
「いや、それは知らなかった…」
そっか。
なんでも話すわけじゃないんだ。
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