: OOPARTS :

5/7
前へ
/57ページ
次へ
  「神代、今日は散々だったな。  本当なら今頃、藤森と---  ぅぁっ、すまないっ」 口を滑らせた佐伯主任が、手も滑らせ、チェイサーのグラスを倒しそうになる。 えっ……? 「それって、藤森主任の言い分を聞くって話じゃなくて……、  あの……私と藤森主任の今夜の約束を知ってたんですか? 」 「ぅ、うん…。  一週前だったかな。  本人が言ってたから」 里崎さんから渡されたダスターで、少し溢れた水を佐伯主任が拭く。 佐伯主任と藤森主任。 仲が良いのはいいけど、明け透け過ぎる。 恥ずかしい……。 でも、あの約束は本当にあったんだ。 あ! それなら……、 「一昨日の夜のことも聞いてましたか? 」 「いや、それは知らなかった…」 そっか。 なんでも話すわけじゃないんだ。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1452人が本棚に入れています
本棚に追加