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「今日の佐伯主任、少し変ですね」
「え? 何が」
「いつも私のこと余裕たっぷりにイジメるじゃないですか。
なのに、今日は優しいって言うか……余裕がない」
「ブブッ! 」
え。里崎さん?
すごい。従兄弟同士って同じふうに笑うんだ。
「神代月子さん、ですよね。
トモ…、智久のこと、あんまりイジメないであげてくれます?
コイツの思考、小学男児並みのところがあるんで」
ん?
仕事のできる主任が小学男児並み?
っていうか、なぜ私のフルネームをご存知で?
「あーもう、いいから!
ほら、いくらなんでも今日の神代は可哀想過ぎだろ。
だからつい…。
もう通常モードに戻すから」
「え、戻さないで下さい。
私、今日の佐伯主任、好きですよ。
あっ、普段嫌いって意味じゃなくて---
ぇえっ?! 」
佐伯主任の顔が、
シュボボボボッ…!
と音を立てたかと思うほどの勢いで真っ赤になった。
なんで?
この人、どんなに飲んでも何にも変わらないザルなのに。
「どうしました?! 主任!
顔真っ赤ですけど、具合悪いですか?!
って……、あれ……」
……ッ!?
は?
まさか!
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