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◇
「「こんにちは~、本日はおめでとうございます~」」
「あっ、月子の大学のお友達の…」
「アコさんとミコさんですね。ご無沙汰しております」
「こちらこそご無沙汰してます~。
育子さんと、望ちゃん、ですよね?
アレ以来だから2年ぶり?
お元気でした?
良かったぁ、受付、由美じゃないのね」
アコのはっきりした物言いに育子は笑ってしまった。
「ははは…。そうなんです。
両家2名ずつってことで、会社のメンバーから2名ずつ。
由美は辞めてるし、共同作業するなら、普段から会ってる人間同士の方がいいんで」
「あ、じゃあ、新郎側のお二人も月子と同じ会社の…」
「こんにちは。神代の同期の木村と言います」
「生田と言います」
アコは首を傾げたが、ミコは目をキラキラさせた。
「あー、覚えてます!
確か木村さんは、由美の結婚式の二次会のとき、具合が悪くなった月子を介抱してましたよね? こちらの育子さんと一緒に。
そうだ! あのとき月子をおぶった人が、あのイケメンの新郎なんでしょ? それがキッカケとか!
ヒャーッ! 運命の瞬間に立ち会ったんだと思うと興奮しちゃう!
あれ、えっと、生田さんは…」
「僕は小山田の結婚式には出てないです」
「やだ、ごめんなさい」
「いえ、別に…。
それより、そちらの新婦の芳名帳、ご記帳ください。
そろそろお時間が…」
そう言えば、2年前も披露宴開始時間ギリギリにこの二人は記帳してた気がする…、と育子と望は思った。
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