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: 披露宴 2nd :
アコとミコは席次表を見ながら、自分たちの席へと急いだ。
「ねぇ、由美はどこに座ってる? 」
ミコが小声でアコに聞くと、アコが席次表と実際の様子を見比べながら、早口で言った。
「奥のほうでご両親と。
式で健太郎、見掛けなかったけど、やっぱりいないんだね。
席がない」
自分たちのテーブルには大学のサークルで一緒だったメンバーが既に着席していた。
「「ども~、ご無沙汰~」」
そこには女子が3人。
アコとミコを足すと5人。
大学のときはこの輪に月子と由美もいた。
「相変わらず時間ギリギリだね」
仲間の指摘にアコとミコは
「ハハハ…」
と笑って応える。
「あのさ、健太郎いないんだけど、理由知ってる?」
ミコが先に着席していた3人に聞いた。
「あぁ、ドイツだったかな?
海外に出張中みたい。
由美にさっき聞いたら、そんなこと言ってたよ」
「ドイツ? 海外勤務じゃなくて出張? フーン……。
…ぅあっ! 」
健太郎について教えてもらったそばから、別のテーブルに興味を移したミコが小さく叫んだ。
「すごいイケメンがいるんだけどっ」
ミコの視線の先は新郎の親族席だ。
アコと友人3人もそちらを見る。
「「ホントだ……イケメン…」」
アコは席次表と照らし合わせた。
「名前は……里崎慎。
新郎の従兄みたいね」
この席に座る月子の友人たちは何故か揃って独身だ。
アコ以外、現在、彼氏もいない。
ミコと友人3人は、俄然やる気になった……。
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