: 受付 1st :

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  「アコとミコが受付に来れば、その瞬間バレると思うけど、とりあえずは他人のふりで---  あっ! 」 「さっそく来た? 」 「ううん、また別の二人……」 “アコ”、“ミコ” とは、大学の、サークル同期のニックネームだ。 彼女たちほどではないけど賑やかな、彼女たちよりも懐かしい二人組が、手をブンブン振りながら小走りでこちらにやって来た。 「きゃー、月ちゃーん。  由美、綺麗だったんねぇ。  あのドレスで披露宴も出るん?  あっ、月ちゃんって披露宴でどの席座んの? 友人席?  それとも会社の同僚席? 」 「違うよ、見てごらん。  おじちゃん、おばちゃんも来てる。  あっ、お兄さんも。  ぇえっ、あのお兄さんのそばにいる女の子って妹の陽子ちゃん?  大きくなったねー! 大人じゃん。  じゃあ、家族と一緒の席なん? 」 この二人は、一人は小中、一人は中高と一緒だった同級生で、 新幹線で1時間半、タクシーや在来線も含めると3時間近く掛け、 群馬の川場村から、ここ東京 新宿まで来てくれた。 新婦にとってありがたい友人。 私の両親と兄妹も来てるけど、 1、2本違う新幹線だったらしい。 「お色直しは一度の予定だよ。  式で着ていたドレスのまま、まずは入場するって。  えーっと、で、私の席は家族と一緒。  親族みたいなものだから、後ろの方にいるよ」 ちなみに8歳下の妹は今春短大を卒業し、地元の信金に勤めているので、大人と言っていいと思う。
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