エピローグ

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  今日は結婚してから初めて迎える “普通の日” だった。 結婚式、新婚旅行とイベントを終え、 初めて二人で出勤し、 働き(今は違う部署)、 また我が家へ帰り着くという “普通の日”。 コソコソとラインでやり取りした結果、時間が合わないことがわかり、一緒に帰ることはできなかったけど、 私はスーパーに寄って夕食の買い物をし、 といってもつまみのオンパレードだけど、 調理に励み、今に至る。 あ、お風呂の用意もしました。 栓して蓋してスイッチ押しただけだけど。 ……薔薇の香りの入浴剤を入れたのはマズかったかな。 私は好きでも、智久さんと薔薇って…。 ……あり、かも。ムフ。 「手伝うよ」 ひぎゃぁ…! 背後の智久さんの声に驚き、妄想の世界から現実に戻ってきた。 「あ、あは。もう運ぶだけです」 なんだかデレデレしながら、ダイニングテーブルへと料理を運ぶ。 「お風呂いいんですか?  ビールどうします? 」 テーブルに料理を置き、振り返ると目の前に智久さん。 はわ……智久さんは部屋着姿でも麗しい。 「ちょっとごめん」 グイッと腕を引かれ、抱き締められた。 あぁ……。体中が智久さんに包まれたような気持ちになる。
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