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◇
とうとうアコとミコがやってきた。
「ちょっと、ツッキー! 何してるの!? 」
「なんでそんな普通の顔で受付なんかしてるのよ! 」
大学時代の友人の
アコ(蔵前明子)と
ミコ(坂下美代子)が、
言葉のロケット花火に火をつけながら、私に近付いてきた。
そう言えば、大学時代のサークル仲間の女子には “ツッキー” って呼ばれてたっけ…。
こちらをチラッと見た、会社の同期の育子と目が合う。
あ。いよいよ飛び火した?
育子が喰い付いたような気がして、思わず目を逸らした。
正面に立ったアコとミコに見下ろされる。
この二人は無駄に長身でスタイルがいい。
「なんでって、頼まれたから…」
「由美も健太郎もおかしいんじゃないの?!
わざわざ元カノ……てか、吉田じゃん!
健太郎の受付してるの? 」
矛先が私から隣の吉田くんに変わった。
「あぁ、そうだよ」
「じゃあ、由美んちの分も吉田に任せちゃって、ツッキーは受付なんてやめよ?
吉田もそう思うでしょ? 」
私はずいっと芳名帳をアコとミコに近づけて言った。
「うん。ちょうど二人で最後だから。
ご記帳、よろしくお願いします」
「「………」」
この二人は大学のときから時間ギリギリに行動するタイプだった…。
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