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: ロビーの片隅で :
「あ、あのね---」
「聞いてくれます?
ツッキー……あ、こちらの月子さんと新郎の明石健太郎は、大学のとき付き合ってたんですっ、同じテニスサークルで。私たちもサークルが一緒の仲間でした。
あ、ついでに新郎側の受付してた吉田享も。
ねっ、ツッキー? 」
「ぅあっ、はい」
突然振られて、反射的に答えた。
って、ミコに話をさせてる場合じゃない。
自分で説明しないと。
「私が説明するから---」
「由美も一緒のサークルだったんです。
確かにツッキーと健太郎は別れて久しいですけど、別れの原因は由美にあったんですよ。
由美が健太郎を誘惑して、略奪したんです。
そんなことしておいて、受付を頼むなんて。
健太郎も健太郎よ。恥ずかしくないのかしら」
あー、ミコが止まらない。
「だから、微妙に違うの---」
今度は同期の育子と後輩の望ちゃんが私の言葉に被せて話し出す。
「でも、由美が新郎と付き合い出したのって、最近じゃなかった? 」
「そうです。
社内では電撃結婚って言われてましたから」
ミコがきょとんとした顔になる。
そして、さっきまでの勢いはどこへやら、ミコが小さな声で聞いた。
「…え? ツッキー、どういうこと?
健太郎って、ツッキーから由美にすぐ乗り換えたんじゃないの? 」
「えーっとね」
ようやく私に発言権が回ってきた……。
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