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「まず、新郎の明石健太郎と私が大学時代付き合ってたのは事実です。
それから、健太郎が由美と浮気したので別れたのも事実。
でも、」
「「「「でも? 」」」」
「二人はそれで付き合うことになったわけじゃないの。
当時は私もショックで、人間不信になったけれど…」
「そりゃそうでしょ。
月子、可哀想に」
「あ……あの、育子?
由美と出会う前のことで、由美を避けないであげてね」
「そんなことしないわよ。
てか、したくたって、由美は寿退社じゃない。接点なくなるわよ」
「ああ、そうだったね…」
「で? 」
「え? あぁ、そっか。続きね。
私のダメージを目の当たりにした二人は、その時点では付き合わなかったの。
あれ? 今思うと、遠回りさせて申し訳なかったかな」
「は? そんなこと思わなくていいって。
月子は入社した頃、本当はズタボロだったってこと?
由美とも普通にやり取りしてたよね? 」
「あー、うん…。
あの頃は就職したてだし、頑張るしかなかったから…」
ハハッと笑うと、4人に同情の視線を向けられた。
イタいな……、過去の私。
「それで……、二人は疎遠になってたけど、偶然、半年くらい前に再会したらしいの。
6年振りだったって言ってたかな。
飲みにいって、付き合うことになったみたい。だから……」
「ツッキー、わかったよ。ごめん、言いたくないことまで話させて。
由美と健太郎のこと、きちんと祝福するよ」
ミコが私の肩に手を置き、頷きながら言う。
「ん。そうして。そうしよ」
無事、鎮火できたかな…。
私は4人の顔を見回した。
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