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やけに広いリビングには、壁に掛けられた大画面のテレビと、質の良さそうな革張りのソファー。
センスのいいガラスのローテーブル。
壁際には何故か、この場には不似合いな冷蔵庫が3台並んでいる。
どこに居ればいいのかも解らず、なんとなく庭に面した大きな窓の前に立ち、ぼんやりと外を眺めていた。
19時になろうとしているのに、空はまだうっすらと明るく、藍と茜の混ざった、複雑な夜の色を造り出していた。
静寂の中に、パタパタと足音が近付き、勢いよく扉が開かれた。
「いらっしゃーい!
ミツ君でしょ?
浩君から聞いてるわ!ようこそ~!
私は、薫って呼んでね!」
長身の美人が、両手を差し出して握手を求めて来る。
174cmの俺と同じ目線の彼女は、にこやかに微笑むが、どこか違和感を感じる…。
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