小暮マルコス洋太

2/16
612人が本棚に入れています
本棚に追加
/492ページ
俺が引っ越しを終えたのは、あれから一週間後の事だった。 ワンルームのアパートは、家具は備え付けだったし、持って来たのは洋服とパソコン、細々とした小物類だ。 新しい住まいには、余裕で収まる。それどころか、余裕がありすぎて、自分の居場所も定まらずにいた。 仕事は探してはいるものの、まだやりたい事も決まらず、何のアクションも起こしていない。 越して来る前、バーで会って一夜を共にした男から持ち掛けられたのは、セフレにならないか、という誘いだった。 躰の相性も悪くなかったし、相手を探すのも簡単ではない。 誰かと付き合ったりは、出来る気がしない。 ちょうど良かったんだ。
/492ページ

最初のコメントを投稿しよう!