小暮マルコス洋太

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約束よりも早く、待ち合わせのホテルに着いた。 中には入らず、入り口の横に立って相手が来るのを待っている。 ウリをしてた頃は、部屋には先に客がいて、そこに行けば良かった。 一緒に入って行くなんて、何かおかしくないか? やっぱり、時間ずらそう…そう考えて、その場を離れた。 信号を待ちながら、メッセージを送る。 ーちょっと遅れるから、先に入ってて。  入ったらルームナンバー教えて。 ポケットにスマホをしまい、歩き出す。と、腕を捕まれた。 「章太郎、ウソつきだな。どこ行くんだよ?」 「何だよ。早いな。  コーヒー飲みに行こうと思ったんだよ。」 適当な事を言って、その場を取り繕った。
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