仕事、辞めました

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そもそも、こんなバイトを始めたのだって、騙されたようなものだった。 憧れていた先輩に近付きたくて、悪ぶってつるんでいた頃。 気持ちなんて、とっくにバレてた。 それでも、変わらずに接してくれた。 それどころか、「ミツ、可愛いな」とか言いながら、肩組んだり、ハグしたり、思わせ振りな態度で、俺に構ってきた。 夏休み、花火大会、人混み、仲間とはぐれて。 着崩れた浴衣が乱されるのは、俺にとって、願ってもない事だった。
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