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これまで、何人もの男達にしてきたように、音を立ててしゃぶり、舌先を使って誘う。
凶器のように形を変えたそれを放し、立ち上がる。
口許を拭いながら、目の前に立つ男の姿を見て吹き出しそうになった。
「お前、マヌケな格好だな。早く脱げよ。
そんで、早くそれ、俺にちょうだい。」
膝まで下ろされたデニム、天井に向かって突き上げる雄、壁に凭れ、息を乱すイケメン。
「章太郎、上手過ぎんだって。
もぉ、ダメかと思った。」
先に服を脱ぎ、ベッドに潜り込んでいた俺を捕まえて、キスをしようと顔を寄せる。
「キスは嫌だって言ったよな?必要無い、だろ?」
こんな俺の唯一の純情。
キスは、キスだけは、いつか本当に好きになった人と…
少女趣味だと言われても、これまで守ってきたのは、ここだけだから。
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