小暮マルコス洋太

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堪えきれずに、こぼした喘ぎは、顔を埋めたシーツに吸い込まれる。 熟しきらないまま、先端は侵入し道を広げて進む。 ズルリと抜き差しを繰り返す度、声をあげてしなり、襲いかかる快楽の波にのまれていく。 「もっと強く!」 速度を上げ、肌のぶつかる乾いた音を立てて、駆け上がりスパークする。 背後に覆い被さる湿った熱い躰が、余韻を味わうように、小刻みに震えた。 「この体勢辛い。もう離れて。」 「章太郎はドライだよな。  もう少し、いちゃついたりしようよ。」 甘ったるいピロートークなんて、いらない。 躰が満たされれば、それでいいじゃないか。 「恋人同士じゃあるまいし。  シャワー浴びるから、退いて。」
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