隠し通せない人

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ノックに続いてドアが開き、ミネラルウォーターを手にした小池君が現れた。 「辛そうだね。」 そう言って、俺を支えるように起こすと水を手渡す。 昨夜は同じように、いや、それ以上に飲んでいた筈なのだが、この男は何故こんなに普通なんだ? 渡された水を一気に流し込み、一息ついたところで、記憶を失った後の事を、恐る恐る聞いてみた。 「昨夜?楽しそうに飲んでたよ。  何かね、「俺、真っ当な人間になれそう」とか  言ってたけど。あれ、どういう意味?  聞こうと思ったら、寝ちゃってたけどね。」 「ハハハ、そんな事言ってたんだ?何だろうね?  帰りは?どうやって帰ってきたの?」 惚けて誤魔化して、着替えまで済ませて、部屋で寝ていた謎を確かめた。
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