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「学生の頃のミツくんて、どんな感じだった?」
「ん~…今より若かった。」
「そんなの!皆そうじゃん!」
詮索されるのは好きじゃないのだが、この男の話し方なのか、元々の気質なのか、質問を重ねられても、不愉快にはならない。
食事が終わっても、部屋に戻ることはせず、そのままリビングで話続けた。
高校から寮生活を始めた事、ゲイなんだと自覚した時の事。
初めて憧れた人に、裏切られた事。
かつて…ウリをしていた事。客にストーカーに遇い、仕事を辞めた事。
何故だろう…聞かれてもいないのに、自然に全てを話していた。
「後悔してる?」
「どうかな…。自業自得だしね。」
懺悔のような俺の話を聞いても、悠真は頷いただけで、何も言わなかった。
話し込んでいるうちに、外は夜を連れて来ていた。
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