山咲圭介という男

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フードコートの似合わない男だと思う。 紙コップに入ったコーヒーを、頬杖を付きながら飲む仕草は、大人の男なんだけど、白くて明るい、この空間にはそぐわない。 「似合わないですね。」 「何が?」 「健全な場所?」 笑いながら、ふざけあっていた。 名前を呼ばれたような気がして、振り返り、一瞬で振り返った事を後悔した。 「………先輩、いつ……」 「お前何やってんの?携帯番号まで変えちゃって。  俺から離れられると思ってんの?  離れられるわけないよな。  誰?このおっさん。  自分で売り込んだの?いくら貰って?」 にやけた薄笑いを浮かべ、こちらに近付いて来る。 圭さんは、氷のように冷たい瞳で先輩を一瞥した後、俺の腕を取って立ち上がらせると、動揺して上手く足が出ない俺を支えて、何事もなかったように歩き出した。
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