始まり

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「あの」 「なあに?」 「本屋さん、ですよね?」 「ええ。本屋よ」 「……古書店では……」  あまりにも並んでいる本は漫画や雑誌とか、普段見るようなものではなかった。 「残念ながら、違うわね。新米冒険者さま」 「へ?」 「あら。知らずに迷い込んできた方でした? でもこの店に入れるのは冒険者さまのみなの。だから貴方も冒険者のおひとりのはず」  わたくし、なにかまちがえて? そう首を傾げた彼女は、驚いてばかりいるモトキに無邪気に笑いかけた。そしてするりと樹の杖をモトキに向けて一振りする。 「え? あ……なんでえええええええ」 「いってらっしゃい、本を探す旅へ」  最後に聞こえた彼女の声を合図に、モトキは強制的に冒険の旅に連れて行ってくれた。  求めてたのはそれじゃないいいいい。 end
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