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「危険も知らずに軽い気持ちで言うな!」
父親のあの言葉も
今となっては言い返せるかもしれない。
しかし、現状イルカのおかげで知ったのであって、イルカが居なかったら俺も今ここにはいなかっただろう。しかし俺は、
「リベンジマッチだ!」
馬鹿なことに闘志を燃やしていた。
月が明かりを取り戻し始めた頃だった。
懲りもせずにまたイルカに近づく。
「ピー!」
イルカもまた来てくれる。
今日は上に乗ろうと思った。
馬乗りになり、背びれを掴む。そして実感した。
「これ水の抵抗足しか受けないな。」
全身で受けた昨日と違い、馬乗りになる事で足しか水を受けない。
本の少年の真実は快適さの理想形だったのだ、何も凄くない。
それに気が付き気を抜いたのが今回の敗因。
馬乗りになった結果足でイルカの体を包んでいた、
足の内側の肌はツヤツヤのスベスベだった。
結局、肌のツヤツヤは綺麗に俺を横回転させた。
いきなりの事に俺は対応できず、またこの深さに沈む。
はずだったんだけど、この前と同じで太陽が近づいてくる、後ろには何もいない。完全に俺自身が浮いている。
俺が完全に浮上した時、イルカが戻ってきて俺の周りを遊泳する。
「俺今自分だけで浮かぶ事が出来た?」
イルカはいつも通り答えるのだった。
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