魔法の本屋さん

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 クリスマスシーズンが近づき、より一層店は活気づく。 店主が魔法で店内をクリスマス仕様に装飾を施していると、看板猫の黒猫が突然威嚇するように鳴き声をあげた。 「ミャーー!!」    「……どうした?」 黒猫の異変を察した店主は杖腕を休めると、黒猫の傍まで歩み寄る。 ーーカランコロン その数秒後。 目の前の出入り口の両扉が勢いよく開き、扉についている鈴の音が鳴り響く。 「あのーー」 カランコロン鈴の音が鳴り響く中やってきたのは1人のまだ幼い少年だった。 たった今現れた人間に店主はギクリとし、顔が引きつる。 本屋の2階で寝泊まりしている店主にとって、実に4千年ぶりに見る人間である。 人間嫌いの店主はみるみる顔が青ざめていく。 (どどどどうして、、こ、こに……!! まさか、森に仕掛けた魔法が解けてしまったのだろうか) そんなことを考えながら店主がおろおろしていると、少年は話し始めた。 「……マント姿で黒猫に杖を持ってるってことはもしかしておばあさんは魔女?」 「そ、そうだ。 ……そういうお前は何故ここに来た?」
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