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「ははは!スッゲー!こんなスゲー本屋さん初めてだ」
「その本は気に入ったかい?」
「うん!」
俺はすっかりはしゃいでいたが、大事な事に気付いた。
「けど俺…… お金持ってない」
「ん?お代ならもう頂いたよ?」
「え?」
「キミが私を呼んだ時点でお代はもう頂いてるんだよ。」
オッサン兄ちゃんの言っている意味が解らず首を傾げる俺を見て、クスリと笑ったオッサン兄ちゃんの笑顔がすごく綺麗だった。
「キミはまださみしいかい?」
「ぇ?…… そういえば」
「ふふふ、私は本と『さみしさ』を引き換えに来たんだよ。」
── その言葉を最後に俺は、いつの間にか気が付けば自分ん家のソファーで寝ていた。
夢かと思ったが、俺の腕の中には例の本がしっかりとあった。
そして、その本は今でも家にある。
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