エロ本読む虫も好き好き

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「わたしがたまたま入った本屋で、たまたまあなたが働いていただけよ。虫よけスプレーもエロ本の虫には効果がないようね」 「あのなー、俺には下下下卑太(げげ げびた)という名前が」 「下下ってどうも呼びにくいのよ。かといって、下卑太と呼ぶほど親しい仲でもないでしょ、わたしたち。ただのクラスメイト。だからエロ本の虫で充分でしょ」  今日子は言い捨てると、長い黒髪をかきわけた。 「どんな理屈だよ。じゃあ、俺はおまえのこと、エロ本少女とでも呼べばいいのか?」 「ふふ。もし呼んだら、あなたのエロ本すべて灰にしてあげるわ」  不気味な笑顔で今日子は静かに言い放った。 「おまえの場合、マジでやりかねん」 「あと、何度も言ってるけど、ポルノ文学よ。間違いないで」 「変にこだわりやがって。写真か文章だけの違いだけで、エロいのは一緒じゃねえか! ほら」  下卑太は訴え、開いていたページを今日子に見せつけた。浜辺でビキニ姿の女性が四つん這いになっている写真が載っている。 「……巨乳」 「Bなのに?」
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