エロ本読む虫も好き好き

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「それでも、わたしから見たら巨乳よ」  今日子はスレンダーな部分を見おろし、悔しそうに歯を食いしばる。そして下卑太の手から強引にエロ本を奪いとると、顔を真っ赤にして真っ二つに引き裂こうとした。 「やめろって! 売りもんだからそれー!!」 「あら残念」  力を抜いた今日子からすばやくエロ本を奪い戻し、下卑太は本棚に戻す。危うくエロ本の命が絶たれるとこだった。下卑太はほっと一息し、今日子に向き直る。 「ったく、恐ろしいヤツめ」 「言っとくけど、けしかけたのは、あなたのほうよ。そもそもポルノ文学は淫猥な文章を読み、想像して楽しむものなの。あなたのエロ本と違ってね」 「ふーん。つまり、おまえのほうがエロい想像が得意ってことか」 「……あ」  もっともな指摘に今日子の頬がカアーッと熱くなった。体中から汗が噴きだす。あわてて両手で顔を扇ぐ。そのようすを見て、下卑太は勝ち誇ったように口もとに笑みをたたえる。 「そういえば、おまえの好きそうなポルノ文学本があったな。お、これこれ」
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