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もっとも想像することはできる。それこそが読書家の唯一の武器だろう。そこで今回の当コラムでは、当時の人々が物理書籍とどのように付き合っていたのかを、文献から得られた知識を基に描き出してみたい。どうかしばらくの間だけ、紙の本をめくる旅にお付き合い願いたい。
まずはどんな本を買いたいか考えてみよう。そう言われて戸惑う人が殆どに違いない。現代において我々は、自分が読むべき本を決めなくてもよくなっている。ウェアラブルが私たちのデータを分析して、完璧なお勧め本を提供してくれるからである。
当時もスマートフォンの検索結果を分析するシステムもあったようだけれども、それはごく単純なもので、今までの人生経験までをひっくるめた分析ではなかった。結局のところ、他人に勧められたものや、雑誌や広告で知ったものを参考に、自分で選別しなければならなかったのだ。
だからといって無理に決めなくてもよい。先の物理書籍不滅論者も、ダイレクトに買いたいものが買えるネットショップよりも、リアルショップに足を運ぶことの利便性を語っていた。そこでは膨大な情報のインデックスと内容がすぐ見渡せるようになっているので、もしあなたが何かを思案中ならば、恣意的にネットで検索をかけるよりも、有益な情報が得られる可能性が高くなるのだという。
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