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最後に最も刺激が強いものがあった。アダルト雑誌コーナーである。その区画はもう店の端っこにあたり、そばにはトイレがあったりして、なんとなくひっそりとしていた。女性店員の手前もあるし、我々も足早に通り過ぎることにしよう。
次の棚には文房具が並んでいる。これもまたカフェと同じく、電子書籍に対抗するための一環で、本に関連のあるものは一緒に売ろうという戦略だ。苦肉の策とも見られるかもしれないが、意外に売り上げがあったらしい。
そうなるともう大抵のものは本に関係づけられてしまう。他の棚にはティッシュペーパーやタオルといった日用品、カップラーメンやお菓子といったスナックはもちろん、弁当や飲み物といった主食まで置いている。
もうお気づきの方もおられるかもしれないが、それらの品が占めるスペースのほうが、本よりもはるかに大きいのである。挙句の果てにはレジカウンターで、郵便物の配達や公共料金の払い込みまで受け付けている。
物理書籍が消えてしまうのも無理はない。何でもありである。これでは本屋ではなくて、便利屋(コンビニエンス・ストア)とでも呼んだほうが適当ではないかと提案して、ひとまず今回の筆を擱きたいと思う。(了)
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