第1章

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「ま、だから、それもあって本屋だね。へへっ、人付き合いを優先した方がいいのは分かるんだけど」 「そんなにおもしろいもんなの?」 「おもしろい……んぅ、おもしろいはおもしろいけど......何というかな」彼女は適切な言葉を探すように自身の頭の中を巡ってるようだ。「本ってね……あ、あたしが読むのってほとんど小説なんだけどね。ジャンルはいつもバラバラで、推理小説だったり文学系だったり、かと思えばSFやライトノベルと節操ないけど。自分でも何が好きなのか読みすぎて分からなくなってきてるけど。……小説ってさ、ここにはないどこかに行ける、かな」 「……?」  俺には理解できなかった。 「んーとね。VRマシンとかあるじゃない。最近流行りの。あんな感じだと思うの」 「V、VR?」  出口書店なみに、予想外の単語が出てきてビックリした。  俺は本を読まないし、VRもたまにニュースで見る程度の知識しかないから、何とも言えない。     
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