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頭に入る文字一つ一つが意味を成し、俺の中に勝手に色々なものを造っていく。あるものは本棚になり、家になり、あるものは空、あるものは大地と、俺の中で世界が描かれた。話の主人公は俺のように何がしたいのか、疑問に悩む無気力な少年だった。だが彼は適当に手に取った本により、本が好きになり、そこから枝葉のように色々な知識を身に付けていく。あらゆるものに興味を持つ。SFだったら宇宙に想いを馳せ。ミステリーだったら、ロジックに惚れこみ、考え方も影響され、文学だったら、感情が波紋を広げた水面のようになり、主人公と同じく俺も感化されて、主人公が本をめくる手が止まらないのと同じく俺も止まらなくなり、二百頁ほどある、俺にとっては難度が高いはずの頁数はあっというまに読み終わった。
「……っ」
読み終えたとき、俺は衝撃を受けた。
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