2人が本棚に入れています
本棚に追加
「残念だなー」
突然、まさとが声を張り上げる。
「美穂が提案した文化祭の催し物、俺、一票入れたんだぜー、
校長の歴史とか案外ウケそうだし、いいアイディアだと思ったんだけどな!」
投票結果35対2で、少数派に入れたあたし以外の変わりもんはあんただったの…
信じられない、実行委員会のくせに。
「まさとのバーカ」
「な、2人でやろうか?校長先生に掛け合ってさ、どっかの教室借りて」
本気で?
「バーカ、やるわけね~じゃん!お前、本気にしたべ?」
子供みたいにはしゃぐな!
ムカつく!
「うるさいな」
「悪かったよ。じゃ、これから、文化祭の打ち合わせいくから。メイクの話、頼むよ。やる奴いなくて」
まさとが立ち上がり、黒いズボンのお尻のあたりをパタパタと軽く叩く。
「やる気ないよ」
「そんなこと言うなよ。あと、もう一つ考えといて欲しい話があるんだけど」
「なに?」
「俺さ、お化け屋敷、美穂と入りたい。返事は早めにくれ。よろしく。じゃな!」
まさとの横顔は真っ赤だった。
【完】
最初のコメントを投稿しよう!