いつもの風景が

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私は、本屋が好きだ。 疲れた時、嫌な事があった時、何か楽しいことを探している時、私はよく本屋へ行く。 目的はもちろん本だけど、もう1つ。 店員のお兄さん。 彼の顔を見ると、なぜか安心する。 ある日、私は1冊の雑誌を手に取った。 表紙には、デカデカと「ダイエット特集」と書いてある。 別にそれが目的ではなかったけど、まぁついでに読んでみるか、と思っていた。 レジでは、あのお兄さんが爽やかな笑顔で接客していた。 ヤバイ、これは見られたくない!どうか他の店員さんになりますように! そう願っていた。 「お待たせしました!お次のお客様、こちらのレジへどうぞ!」 声がかかったレジには、お兄さん。 恥ずかしい、一番見られたくなかった! お兄さんは、いつも通り爽やかな笑顔で私に接客する。 「850円になります。」 いつもなら嬉しいはずなのに、今回ばかりは、恥ずかしくてお兄さんを見ることが出来ない。 憧れのお兄さんが目の前にいるのにー!! 私は、手早くレジを済ませ、足早に本屋を後にした。 絶対、見られた! 絶対、見られた!! そう思いながら、早足で帰路についた。 その途中。 あ!あれ?!スマホがない?!! ヤバイ、どっかにおとしたのかな?! 探さなくちゃ!!! と、また来た道をキョロキョロしながら戻る。 とうとう本屋の前まで戻ってきてしまった。 店内に落としたのかなぁ? どうしよう、探したいけど、気まずくて、 お店の中に入りづらいよぉ。。。
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