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気付くと私は涙を流していた。
「お、お客さん!?」
店員さんがびっくりしたような声を上げた。お店の中で申し訳ないんだけど……でも胸がいっぱいになってしまって、私は涙が落ちるのを止めることができなかった。感情が溢れてどうにもならないけど、何とか声を絞り出す。
「私……ずっともやもやしてて……毎日同じことの繰り返しだし……こんなんでいいのかなって……この人生意味あんのかなって思ってて……でも今日ここに来れて……良かったです……」
思い出した。いつからかずっと失くしたままだったものを、今もう一度見つけられた。この世界がある理由、私が生きてる意味。この自由な空には果てがない。
もう手放さない。一生懸命なだめてくれる店員さんに感謝しつつ、私は心にそう決めた。
雨はもう止んでいた。
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