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私の今回のテストは1学期期末、教科としては9教科?だったかな?
「えーっと、現文、古典、数学IIB、物理、化学、コミュ英、英語表現、地理B、保健かな?私のところ進学組だから教科多いんだよね……よくもこんなに沢山入れやがって!」指を折りながら数える。
「まあまあ、落ち着いて、智佳さん。楽しいことも多いでしょ? 体育祭とか文化祭!」
「あ、そうそう!私体育委員なんだけど、テスト終わったら体育委員集合って言われてて集まったら体育祭のブロック発表だったの。それがね、あの先生達絶対おかしいって!だいたい1ブロック40人ぐらいいるのに。なのにね!あるブロックは30人なの!なんなのよ!1人2種目までって決まってるのに……だから抗議してるのだけど、先生はその抗議を受け付けないで理由をちゃんと示さないの。私のクラスに生徒会長、と副会長兼体育委員がいるんだけど、『生徒会から抗議したら簡単には意見を突き返されない』からそうしようっていったん落ち着いたんだけど、どうなるのかな……ちゃんと先生達の間でこの事について話し合ってるかな? 本見せて!」にこりと微笑みながら手を出す。
ここは本屋さんと図書館がセットになっている『うさぎの本屋さん』ドラ〇もんの四次元ポケットの中のようなところ。うさぎの本屋さんでは地球にある本や、普通ではありえない本を沢山置いている。例えば……
うさぎさんがため息をつくように「仕方ないですね……154列2段40番」と言う。
そうすると1冊の本が飛んできた。その本は地球上では絶対に手に入れられない本。それは監視カメラを見ていようなもので、本を開くと見開き1ページに映像が映る。1人1冊で対象人物の行動を見ることが出来る。音声付きでね。
本を開く。
この本の対象は体育祭のブロック発表をした先生。ということは生徒の意見を全く聞かない先生だ。
そうそう、この本は監視するだけではなく、次のページは言動をログで表示する事が可能だ。
なんて恐ろしい本なんだ……と思う。
ここの本は私とうさぎさんしか見ることが出来ない。例え“本の世界”の住人だとしても。
対象人物、平垣 浩二(ひらがき こうじ)
クーラーの効いた体育教官室でふんぞり返りスマホゲームをしている。次のページのログを見ても全く体育祭の事について一言も言っていない。口だけみたい……
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