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俺は、高校を卒業後、
故郷の田舎町を離れ東京の大学に進学した。
そして、大学在学中にこれまた東京で就職と新居を決めた。
俺は、大学卒業と同時に社会人として新生活の準備の為、実に四年ぶりに故郷の田舎町に約一週間の予定で帰省した。
(大学在学中は、東京でバイトに明け暮れ、一度も帰省しなかったのだ)
帰省した俺を両親と高校生の妹は、大歓迎してくれた。
俺も久し振りに会う家族と懐かしい我が家に気持ちがウキウキと弾んだ。
さて。
帰省して二日目の事。
俺は、懐かしい故郷の町中を散策してみた。
いやはや…
本当に懐かしい。
とは言え、四年ぶりに見る故郷の我が町は、
今でも変わらない所が有る反面、変わった所も有る。
昔と変わらずに今でも営業している懐かしい駄菓子屋が有るかと思えば、新しく出来たコンビニも有る。
と…
「お!これは懐かしいなぁ!」
俺が昔、高校時代にほぼ毎日のように通った本屋『〇〇書店』の看板が目に飛び込んできた。
今じゃ、本屋と言えば
『本+CD+DVD+ゲーム』と言った具合に、様々なアイテムを複合的に販売している店が多い。
それに対して『〇〇書店』は、昔ながらの本のみを販売している本屋だ。
俺は、高校時代にほぼ毎日の様に『〇〇書店』に寄り道して立ち読みをした。
そう。
もっぱら、立ち読みのみで一度も金を払って本を買った事が無かったように思う。
と言うのも、駅前にでかい古本屋が有ったので、マンガや小説はそっちで買っていたのだ。
(古本屋は値段が安いので)
しかし、その古本屋は…
『立ち読み禁止』。
だから俺は、
『〇〇書店』で立ち読みをして内容を確認した後に駅前の古本屋の店頭にお目当ての本が並ぶのを待って安く買っていたという訳だ。
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