0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
いつもは、朝、薄いカーテン越しに陽光が差し込むまで、ぐっすりと眠るKさんなのだが、どうしたわけか夜中に目が覚めた。
目の前に、女の人がいた。
抱き枕というオチではなく。
ええ、抱き枕はさすがに持っていませんね。申し訳有りませんが。
悲しそうな目をしていました。
この状況で、まずそんな感想を持ってしまうKさんは、本当に危機意識に欠けていると思うのだが、
「気がついたら、意識をなくしてしまって、朝でした」
念入りに戸締りをして、普通に出勤したそうだ。
「想像を絶する体験をした時というのは、かえってルーティンにこだわってしまうものかもしれません」
その日は、これまた念入りに残業に打ち込んでから帰ったそうだ。
そして、夜中に女性と対面しては、気を失ってを三日三晩は繰り返したという。
最初のコメントを投稿しよう!