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「あれ…そういえば、相澤先生、10年前ここの生徒ではなかったですか?」
「はい。」
全員の視線が相澤に集まる。
未経験者達にとっては前例を知るものはとても価値あるものなのだ。
「10年前もまあ、皆んなが納得できる人選ってとこでしたね。」
「やっぱりそうなるか……。」
「とゆうか、相澤先生、昔高等部の生徒会長とか言ってませんでした?」
「え、じゃあここの生徒会長やってたんですか!それはそれは」
空気が、相澤に傾く。
全て一任させよう。そんな空気が。
「ええ、俺が10年前の生徒会長です。ほら、アルバムもありますよ~」
飄々と取り出したアルバムには生徒会長相澤俊哉の名前。
つまりそう、相澤は現生徒会長である彼女の、10歳年上の従兄弟。
そんな相澤に君塚がいい反応を示さないのは、生徒会長である彼女が相澤をとても信頼し、頼りにしていたからであった。
まあそれも、相澤からすればいい迷惑ではあったが。
「さ、先生方投票はじめましょうか!」
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