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文化祭の思い出は
「よ。気は済んだ?」
「おにぃ…うん、ありがとう。あ、でも君塚君にばらしたでしょ!!」
「まあま、許してくれ」
2人だけの空間は終わって、1人きりでステージを降りてくる彼女を迎えたのは最大の協力者。悪びれもせず飄々と答える様はさすがと言える。
「ほんとにやりきるとはな~」
「うん。先生達の投票うまくいってくれてよかった、ありがとう」
「ま、経験者としての一言は重かったらしい。
“誰よりもこの日のために努力してきた人物は、みんなが知る人物は1人だけだと思う”
ほぼみんなお前に投票したよ、沙耶」
「会長…!」
「君塚君……」
全速力で駆けつけた彼はとりあえず教師に今日何度目かの睨みを利かせ、息を整えて声を発した。
「お疲れ、さまでした」
「……もう、私に内緒で勝手なことして。どうやって経費誤魔化してたわけ?」
「おいおい、流石にそれは聞き捨てならないぞ教員として」
「突然教師ぶらないでください。大丈夫です、ちゃんと他で調整して問題ないようにしていますから。」
一生徒がそんな暴挙に出ること自体、信じられないが、彼ほどの秀才であれば本当にやりのけてしまいそうなところがあるから怖い。
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