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こんなもので彼が納得するとは思えないが、これ以上の追及をされても困るので、理解したふりをしてもらってありがたいと思うことにしよう、彼女は内心ホッとしていた。
「じゃ、俺はどんな手を使っても応援しますよ。全力で。」
一変、その言葉に胸がチクリと痛んだ。
文化祭にこだわる本当の本当の理由がばれてしまっているのではないかと、これほどに頭の良い彼にはなんでもお見通しなのではないかと、そんな思いが頭をよぎったからだ。
ガチャ
「遅くなりましたーー!」
「あ、お疲れ様」
「お疲れ様です。」
良くも悪くもいいタイミングで現れた副会長以下役員に、この時ばかりは感謝するしかなかった。
ばれていようといまいと、するべきことは変わらない。
もう文化祭は、目の前。
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