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才能あるヒロイン
文化祭当日、生徒会の元にはめまぐるしいほど仕事が舞い込んだ。
来賓の対応に各クラスとの連携、来場客の管理に出し物の見回り。迷子、落し物、トラブル対応……
お飾りではないと主張するかのように生徒会は対処を行なっていった。
「とはいえ…大忙しだなぁ…」
「あ!かーいちょー!」
「え?」
ふと、クラスの見回りの途中に、女子の人溜まりに呼び止められる。
そこにはみた顔も何人か…あぁ、同じ学年の……
「お疲れ様…」
「春香ちゃん…うん、どうしたの?」
その中にたった1人友達と呼べる相手がいたのだ。
「ねえねえ会長さん!ちょうど今みんなと話してたんだけどさ!ラストステージのあれ!」
「うん?」
「あれってさ!選ばれるの春香だよね??」
「………ぁー」
横目でチラリと春香を見れば、少し照れた様子で視線をそらす。
なるほど、彼女たちはラストステージに誰が選ばれるかで盛り上がっていたのだ。
確かに、彼女達の中で選ばれるのであれば春香だろう。
「だってあれ、最も輝いていた人が選ばれるんでしょ?
そしたらもう、春香しかいないじゃん!」
「そ、そんなことないよ…やめてってば」
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