59人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
「もー!謙虚だな!春香は!だって事実すごいよねぇ!会長もそう思うでしょ?」
「うん。そうだね、そういえば言ってなかったね、優勝おめでとう。お疲れ様」
「うん、ありがとう」
西島春香
彼女1週間前、とある快挙を成し遂げていた。
陸上の全国大会で大会新記録を樹立、勿論優勝…
ここ数年運動部に力を入れてきた学校としては最高の名誉であったのだ。
そして、学校史に名を刻むのは間違いだろう。
「会長さんって春香と友達なんでしょ?ほら、このタイミングだし絶対春香の為だと思って!」
「も、やめてよー、ほら、困らせないであげて…ごめんね?友達が勝手なこと言って…」
「ううん。……まあ、私の立場からはなんとも答えられないけど……春香ちゃんなら確かに最適だね!」
「そうだよね!?やっぱ会長もそう思うよね!?」
「…そうだね、選ばれても相手もいるし、困ることないね。」
「あ、……うん…」
はにかんだ笑顔で俯く春香。
その笑顔を見て回りも幸せな気持ちになるのだ。
春香は可愛いし、優しくて、陸上選手としての才能もあって、応援してくれる友人がいて、そして……共にステージに上がることができるパートナーもいるのだ。
何もかもが完璧だった。彼女を取り巻くのは幸せだけだった。
まさに彼女はヒロインと呼べるに相応しい人間だ。
最初のコメントを投稿しよう!