-バニラの意図-

2/2

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
 バニラの視線の先だ!  バニラは私から目を離すと、審査員席の葉敬に視線をやった。  つまり、私に強引にキスをすることで、葉敬がどう反応するか、見たかったのだ!  そのために、私に、賞を与えるプレゼンターの役をやらせ、自分に賞を与えさせたのだ。  …おのれ、バニラ!…  …ゆ、許さん!…  …許さんぞ!…  私の怒りに火が点いた。  この矢田トモコ様を利用するとは…  …許さん!…  私の心にかつて感じたことのない怒りが充満した。  マグマが噴火する直前だった。  「…許さんぞ…」  いつしか、私は口に出した。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加