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バニラの視線の先だ!
バニラは私から目を離すと、審査員席の葉敬に視線をやった。
つまり、私に強引にキスをすることで、葉敬がどう反応するか、見たかったのだ!
そのために、私に、賞を与えるプレゼンターの役をやらせ、自分に賞を与えさせたのだ。
…おのれ、バニラ!…
…ゆ、許さん!…
…許さんぞ!…
私の怒りに火が点いた。
この矢田トモコ様を利用するとは…
…許さん!…
私の心にかつて感じたことのない怒りが充満した。
マグマが噴火する直前だった。
「…許さんぞ…」
いつしか、私は口に出した。
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