第六章 咲姫と “魔笛”
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僕にとって、あの朝の少女こそが咲姫だったのだ。 あの時抱いていた、幼い少女の身体の記憶。 (僕は全く馬鹿者だった) 僕の五感の全てが、あの少女は花音だと僕に教えていたのに。 だが言い訳はしないし、出来ない。 (上手く説明が出来そうも無い) 然し、断固として花音は守る。 僕の大切な妻だ。 そして僕の子供の母になろうとしている、大事な身体だ。
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