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「前の結婚式の時に、君にプレゼントする積もりで買ったんだ」
「君が描いた絵だなんて、知らずにね」
花音が僕に抱きついて、僕の唇を奪った。
(嬉しすぎる)
「クマさんの絵、続きを描かなきゃ」
「私と貴方と、子供達のカルテット」
言ってから、恥ずかしそうに僕の胸に顔を埋めた。
「子供達って言ったのか」
(嬉しすぎて、気を失いそうだ)
花音を膝に横抱きにして胸に包むと、家族に囲まれた未来を勝手に想像した。
(顔が綻ぶのが止まらない)
そこで思い出した。
「だが花音。子供を無事に出産するまで、油絵具に触れる事は絶対に禁止だ」
「テレピン油の匂いは、お腹の子供に障るからね!」
断固として、言い渡した。
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