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3・
強引に腕の中に捕縛して連れ帰った、隆仁の新しい巣。
逃げられない様に、出入り口が一つだけの最上階の部屋だ。
邸に連れ帰っては、隆房や苦手な家政婦もいて、極めて拙い。
だから、ペントハウスを用意した。
花音をリビングに通すと、素早く玄関ドアをロックした。大股で歩み寄ると、目の前で仁王立ちに為り、花音を上から下までまじまじと見た。
明るい所で花音を見た隆仁は、驚くより不快になった。途轍もなく美しくなった花音を見て、他の男の存在を疑ってしまう。
(調査洩れかと思うと、気が気では無い)
手首を掴んで、腕の中に引き寄せた。
花音は身体を硬くして、激しく抵抗しているが、隆仁には気にしている余裕など無い。
「三年もの間、何処に居たんだ。探したのに」
(知っているが、花音に言わせてやる)
「殴り倒してご免なさい」
花音が身体を硬くしたまま、言っている。望んでいるのとは違う言葉だが、声が聞けて嬉しいから許してやろう。
強く抱き締めてから、押さえ付けて置いて髪をほどく。
ピンを引き抜き、ゴムを取ると手を髪の中に入れて顔を包んだ。手に花音の柔らかな髪の感触が触れる。
唇を熱く重ねて、花音の呼吸を奪った。
激しく抗う花音の身体から、力が抜けた。
だが花音は要注意だ。ウッカリ気を抜けば、また僕を殴り倒して逃げかねない。
花音は気を失いそうになり、隆仁の身体にしがみ付いた。
隆仁の熱く激しい鼓動が、キツク抱き締める胸から伝わって来る。
頭を包む隆仁の、手の温もり。
忘れた筈の三年前の記憶、恋した日のときめきが戻って来て苦しい。
花音の身体の温もりが欲望を倍増させる。
花音は僕のものだ。
(誰にも、渡さない) 、また決意が溢れでる。
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