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朝の薄い光の中で。。目覚める。
身体を包んで、緩く抱いている、誰かの腕。
「ココはどこ?」
戸惑いながら横を見て、赤くなり。
それから、蒼くなった。
裸の隆仁が、隣で眠っている。
目を閉じて、規則正しく呼吸する裸の逞しい胸。
私の身体に触れている裸の隆仁の身体を感じて赤くなり、昨夜の私と隆仁を思い出して、また蒼くなった。
「また、遣ってしまった」
正直なところ、そう思った。
(困った。如何しよう)
隆仁が突然、眼を開いた。
(不安だ。何て言うだろう)
隆仁の顔に浮かんだ少年のような満面の笑み。
私を胸の上に抱き上げて、頭を両手で包むと引き寄せた。
ディープなキス。
唇が離れて、ワタシを見つめる。
「また、僕だけの花音だ」
そのまま抱き締めて腕の中に包むと、宣言した。
「今日は忙しいよ。婚姻届けにサインをしたら、次は結婚式の準備だ」
隆仁は一人で張り切っている。
(何が何だか分かんない。コイツはどういう積もりなんだ)
『計画は第二段階だ』
『必ずこのまま、押し切ってやる』
ペントハウスには通いの家政婦を置いているが、今日は休ませた。
絹子の店から連絡済みだ。
(花音が、恥ずかしがるといけない)
「シャワーを使っておいで。その間に、食事の準備をしておくから」
料理なんてした事はないが、レトルト食品を買ってある。
花音は隆仁の前で、裸のままでいるのが恥かしくてたまらなかった。
男と関係を持ったのは、一度だけ。
夜の闇に抱かれて、隆仁に身を任せたあの時だけだ。
隆仁はさっきから慣れた感じでバスローブに身を包み、部屋の中を歩き回っている。
(よっぽど、こういう事に慣れて居るらしい)
隆仁は自分の興奮を、花音に気取られないようにするのに必死だった。
胸が早鐘の様に鳴っている。
【昨夜また、花音を抱いた。一晩中、胸の中に包んで愛した】
「もう僕のものだ!」 、胸が熱くなる。
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