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第30回 久米三十六姓と、遊郭の女流歌人
《明から来たエリート集団》
ある飲み会で、知人女性がオレと同年代の女性を連れて現われた。
「この方、久米(くめ)三十六姓なんです」と紹介した。
オレ「久米三十六姓! すごい」
「三十六姓のずっと子孫の子孫の子孫の子孫……ですけど」とその女性は笑ったけど、三十六姓の子孫にはかわりない。
県外の人だと知らない人も多いだろう。
明(みん)の時代の初期に、今の福建省から洪武(こうぶ)帝の命により琉球へ渡来したといわれる職能集団の人々を指す。なぜ「すごい」かというと、中国と琉球を行き来する航海・造船の技術を持ち、外交文書の作成、通訳、さらに交易も担ったという優秀な人たちだから。その時代は家柄がよくないと教育なんて受けられないだろうから、本物のエリート集団といえそうだ。
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