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*  幾らかやり取りをしていくうちに、俺とルリは互いの事を知るようになった。  生まれ故郷やフルネーム、誕生日や血液型、好きな食べ物や趣味まで。  しかも、彼女と話していると、なんだか飽きない。その為かもっと話したくなって、いつの間にか、毎日の様にLIKEを送っていた。  朝起きたら「おはよう。今日も一日頑張ろうね」とか、家に帰ってきたら「ただいま! お仕事お疲れ様」とか。  些細なやり取りだけど、寂しく独り暮らしをしている俺にとっては、唯一の心の拠り所でもあった。  でも、ルリはどう思っているんだろうか。  俺とこんなくだらない内容のLIKEを毎日やっていて、楽しいだろうか。  あと、軽い情報は知っていたとしても、家族構成や生い立ちまでは聞いていないし、全く知らない。もっと知りたくて核心をつこうとすると、彼女はそれを避けるかのように、違う話題をし始める。だから今度、会うときに聞いてみようと思うが…… 「そうは言っても……いだっ!」  呟きながら部屋のベッドに寝っ転がって画面を眺めていたせいか、右手に掲げていたスマートフォンを自身の顔面に落としてしまった。 「くっそぉー!」  俺は痛さのあまり、思わず部屋で一人叫んでいたが、左手でぶつけた部分を抑えると、渋々掛け布団をかける。  そして、気が高ぶったまま、強引に目を閉じると、朝が来るのをひたすら待った。
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