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*  午後22時半。  いつもより早く仕事が終わったので、俺は急いで階段を上がって更衣室へと駆け込むと、制服を脱いで帰る支度をしていた。 「はぁ……」  早くルリとLIKEしたい。  俺はそう思いながらラフな私服へと着替えると、真っ先にスマートフォンを手に持ちながらロック画面を眺めていた。  と言うのも、今の俺は仕事の疲れより、ルリが言いたげそうにしていた話の内容の方がとても気になっていたからだ。 ――ピコンッ! 「あっ!」  すると、突然通知音が来たので、すかさずロックを解除してLIKEを起動させる。  :えっと、今からその、電話で大事な話をしてもいいですか?  :あぁ。でも、家に着いてからでいいか? 今、職場なんだ。  :そうでしたか。では、ヒカルさんにお任せします!  :おー  俺は一言だけ簡単に返事を返すと、スマートフォンをポケットに入れて職場を後にした。
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