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「……」  俺の目が、綺麗……、だって?  嘘だろ。そんな事、26年間、誰からも言われたことがなかったのに。  俺は暫くの間、彼女の背後をただただ見つめてはどう言葉を返せばいいのか、戸惑いを隠せないままでいた。 「まさか……冗談だよな?」  きっと、ルリはお世辞で言ったんだろう。  何せ、彼女はここで働く従業員の中でも、一番の人気者だし、周りには自然と人だかりができていることだってある。だから、こんな俺に目向きなんて……。 「ははは……」  冷凍庫で一人、から笑いしながらも俺は紐を引いて扉を開けて出て行くが、彼女の言葉を思い出す度に、何とも言えない気持ちになる。 「ふぅ」  俺はその思いを紛らわすかの様に一つ息を吐くと、天井付近に取り付けられているアナログ式の電波時計を見た。 「あっ。やべぇ!」  17時。彼女の事をずっと考えていたら、いつの間にか休憩の時間になっていた。  なので、俺は荷物が置いてある食堂へ向かう為に、急ぎ足で階段を上る。  そして、食堂に着くと俺は、端に置かれている荷物棚から、自身の黒いバックから飲み物を取り出そうとチャックを開けた。 「……手紙?」  すると、バックの隣に俺がよく飲んでいるコーヒー缶と一緒に、小さく折りたたまれた置き手紙があったので、開いて文を確認する。
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