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新たな生き物を創造することはとてもとても疲れます。
思い通りの生き物ができることの方が稀(まれ)で、大抵は創って…壊して…また創り直し。その繰り返しでした。
自分が創ったものにも、毎回愛情を注いでいた現くんは、壊すたびに泣いていました。
壊した後の嘆きは毎日蓄積されていっても、真面目な現くんは休むことができません。
眠ることができるなら、心を休めてリセットすることができたかもしれませんが…
現くんも夢ちゃんも、眠るという行為を知らなかったのです。
なので、眠れない現くんのために、夢ちゃんは “夢の世界” を創り出し、夢の中だけは心が安らかであるよう、毎晩夢を提供していたのです。
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