第1章

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第1章

技術革新は何時でも唐突に遣って来る。 ビデオデッキが現れた時、PCが現れた時、インターネットが現れた時… Windows95が現れペンティアム機器が世に出た時なんざぁ、それはそれは酷かったものだ。 当時DX4CPU時代全盛期となっていた所へ突如現れた新型パーソナルコンピューター。 コヤツが現れた事で、半年前には100万以上の高値で販売されていたPCが…塵。 そう、ゴミと化したのである。 って、何が言いたいかってぇとだ、行き成り発表され現れる技術に世が翻弄されるってぇ事は多々あるってぇ事で… VR…バーチャルリアリティてぇマシンが据え置き型ゲーム機で販売されて数年。 このゴーグル型にて視覚的にバーチャル体験が可能なマシン様に驚いた時代が…直ぐに過去のモノになるなど、当時、誰が想像しただろうか。 ってもだ、それが発表されて7年も経っていたわけだから…十分にもっていたと言えるのだろう。 しかし…精神リンク型バーチャルマシーン様が小説や漫画、アニメやゲームの世界でなく、実現されるなんざぁ、お天等様でも想像ざにしなかっただろうよ。 ってもだ、先ずは医療系から研究が進められ、実際に世にゲーム機として現れたのは技術が発表されてから結構な年月が流れてからだったがなぁ。 俺こと横崎 憲吾(ヨコザキ ケンゴ)がコイツを手に入れたのは晩年ってぇヤツでなぁ。 既に会社は定年ってぇヤツで隠居の身ってな。 独身貴族てぇ言やぁ聞こえが良いが…老人の1人暮らしでよぉ、家賃の安い田舎へ引っ込んだのは良いが…年金と貯金切り崩しで贅沢もできねぇ。 ま、家賃と食費が一番の出費だが…この歳では、そう多くを食う事もなぁ。 暇はネット小説をK-ヨッシーてぇ名で投稿して潰したりしていたが… ある日、テレビの宣伝に踊らされて買ってしまった訳よ。 え、何をって…そら、あんた、VRマシーンに決まってらーなぁ。 このVRマシーン様ってぇ代物なんだが…後ろ首の小脳付近に運動や視神経、聴覚にも関する基幹が存在するらしく、これとアクセスする事でVR世界へとダイブするらしい。 ただなぁ、嗅覚は此処ではアクセスできないんだとよ。 故に、眼鏡の出来損ないみたいな器具にて目頭辺りの視神経よりリンクってさぁ。
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